関係する生物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/01 02:48 UTC 版)
熱帯域ではその現存量が多く、また集中しているため、食料として有望であるが、地下や蟻塚の中など、手に入れるのが容易でない上、兵アリがいる。そのため、これを専食する動物には独特の適応が見られる。典型的な例がアリクイであり、前足の強い爪は蟻塚に傷を付けるのに有効で、長い吻とさらに長い舌はそれをこの傷に突っ込んで舌でシロアリを吸着させて集めるのに役立つ。チンパンジーは蟻塚に唾液で湿らせた小枝を差し込み、シロアリを釣り出して食べるが、これは上記の適応を道具でなぞったと取れる。 天敵から身を守るために、アリ塚を利用して生活したり、巣を作ったりする他の生物もいる。 ヒカリコメツキ(コメツキムシ科の一部の分類群)幼虫の大きさはおよそ3cmで、一つのアリ塚に1,000匹が棲んでいる。乾季の終わりが近い9月の夜になると、アリ塚の穴は緑の光を放つが、これはヒカリコメツキの幼虫の頭の後ろ5mmほどの部分が光っているからである。この幼虫はアリの羽蟻などの昆虫の走光性を利用して誘引し、接近した昆虫を捕食する。 アリツカゲラ(キツツキの一種)キツツキが巣を作れるような木がないために、アリ塚の上部に直径15cm程度の穴を空け、その中に卵や雛を置いている。 アナホリフクロウ(フクロウの一種)アリ塚の傍に巣穴を掘り、昼夜はアリ塚の上に止まり、獲物を探して暮らしている。 その他にも、シロアリの巣内に生息する小動物はいくつかあり、好白蟻性と言われる。 他に、シロアリの卵に擬態した菌核を作る菌が知られている。色は異なるが、化学物質や形の擬態によって、シロアリは卵と間違えて巣内に運び込むという。この菌核はターマイトボールと呼ばれる。
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