独特の適応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/12 01:54 UTC 版)
これらの中には、広くさまざまな有機物上に出現するものもあるが、糞だけに見られるものもある。特にミズタマカビやスイライカビ、ヒトヨタケなどでは、糞生菌としての独特の適応が見られる。 これらの菌は、糞を出す動物の消化管を通して糞に胞子が行き着くことができる。糞上で成長した菌は胞子を射出し、その胞子は周辺の植物の葉に付着する。ミズタマカビでは胞子のうの塊がまとまって打ち出され、その距離は2mにも達する。近縁のピライラでは胞子嚢柄が長く伸びることで、やはり胞子嚢を周辺の草の葉にくっつけるようにする。この手の菌の胞子は草食動物に葉と一緒に食べられ、消化管を通って糞に達し、そこで発芽成長するものと考えられる。このような菌では、消化液による刺激が胞子の発芽を促進する例も知られる。このようなものを特に内生糞生菌ということもある。 これに対して、よく糞に出現するが、このような特徴を持たないものは胞子が他の方法で糞から糞へと移動するものと考えられ、外生糞生菌とも言う。
※この「独特の適応」の解説は、「糞生菌」の解説の一部です。
「独特の適応」を含む「糞生菌」の記事については、「糞生菌」の概要を参照ください。
- 独特の適応のページへのリンク