鑑賞目的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 01:23 UTC 版)
昆虫、特に大型の蝶や甲虫類には鑑賞価値が高く、一般にも知名度の高いものが多々ある。それらは一般人が飾って楽しむ場合もあり、それを目的とした標本の制作や販売が行われる例もある。マレーシアなどではトリバネチョウやコノハムシ、カブトムシなどを標本箱に納めた形のものや、昆虫以外ではサソリやタランチュラ,ウデムシが同じような標本の形で販売されている(なお、一般的にクモ類は死後腹部が収縮してしまうため、乾燥標本には向かない)。大型のムカデや、節足動物ですらない、コウモリや、小型で彩色のカエルまでもが、乾燥標本にされ、昆虫標本と一緒に同じ箱に収められ販売されている事もある。モルフォチョウ等、その土産物としての販売が地元の重要な物産となっている例もある。なお、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)や種の保存法の国内希少野生動植物種で販売や譲渡や移動が禁止されているものが販売されていた例もあるので、注意を要する。 これらの標本も、上記の分類研究用の標本と基本的には変わらない。ただ、取り出してひっくり返して細かいところを見ることは必要ないから、箱のふたが固定されていることやチョウ以外では箱の底に直接のり付けされていることやラベルがないこともあるため注意が必要である。 チョウの場合には、多数を集めて一箱に収めたものが販売されている。その他、分類とは関係なく、様々なデザインで配置した標本箱が販売されている例もある。羽根の模様だけあればいいと、鱗粉を台紙に写し取った鱗粉転写というのもある。
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