鉱山遺産の現況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 01:38 UTC 版)
鉱山関連の世界遺産登録が近年相次いでいるが、その評価はユネスコや諮問機関でも意見が分かれている。 2017年に登録されたポーランドの「タルノフスキェ・グルィの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システム」では、鉱山そのものより、水文学を推奨するユネスコが地下水管理システム(排水)に着目したが、佐渡では南沢疎水が構成資産に含まれている。 2019年に登録されたインドネシアの「サワルントのオンビリン炭鉱遺産」では、「単にヨーロッパの技術を導入しただけでなく、地域技術との融合がみられ、採掘・加工から輸送段階における効率化のための設計が最初から完成されていたものである」と評価しており、単なる最新技術の導入だけでは評価されないことを示唆しており、これは「明治日本の産業革命遺産」でも同様の評価対象となっている。このことから佐渡においても構成資産から除外された明治以降の近代化・機械化の足跡の可能性を示唆する意見もある。 2021年に登録されたルーマニアの「ロシア・モンタナの鉱山景観」は現在も操業が継続中のため、安全管理上見学できるのは採掘が停止した古い極一部の範囲のみで、シアン化物汚染の問題があり地域住民は投資紛争解決国際センターに提訴し係争中であり、登録と同時に危機遺産にも指定されたことから、鉱山関係の登録は慎重に扱うべきとの意見が多発した(第44回世界遺産委員会#危機遺産への新規掲載参照)。
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