鉄道での「ぶどう色」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 06:44 UTC 版)
鉄道車両の色について、ぶどう色という名前が用いられる(国鉄では「ぶどう色2号」を正式な色名と定めている)。ただし、この場合の「ぶどう色」は、ほとんど焦げ茶に近い色で、一般的なぶどう色とはかなり異なる。 1950年代以前は、蒸気機関車の煤煙や車両のブレーキが発する鉄粉が車体に付着し車両の外観を損ねるとして問題視されており、また塗料自体が高価であったことから、塗りわけること自体が現実的でなかった。そのため、鉄道車両は原則的にモノトーン塗装であり、私鉄で多用された「濃緑」とともに広く用いられた色が「ぶどう色」である。1960年代に入ると蒸気機関車の淘汰や駆動方式・ブレーキ方式の改良により鉄粉が散らなくなったこと、そして国鉄私鉄問わず、塗装はデザインの重要な要素として認識されるようになったため、鉄道車両はさまざまな色をまとうようになっていった。 しかし、阪急電鉄は創業以来、国鉄の「ぶどう色2号」に近い茶色単色(阪急では「マルーン・カラー」とよんでいる)を堅持している。ただ、国鉄・JRのぶどう色2号に比べると、阪急の茶色はややワインレッドに近い色である。 近年では、旧塗装の復刻など鉄道会社側のファンサービスとして、ぶどう色2号をまとった車両が復活しつつある。しかし、実際にはEF64など、かつてぶどう色2号をまとったことのない車両も多い。
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