酸刺激による実験手技の追試
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 23:52 UTC 版)
「刺激惹起性多能性獲得細胞」の記事における「酸刺激による実験手技の追試」の解説
論文が公開されるまでに、論文共著者の若山照彦は再現実験を山梨大学で数十回実施したが一度も成功しなかった。理化学研究所発生・再生科学総合研究センター内で、小保方以外の人物が独立に成功したことはなかったという。 また、ポール・ノフラーはウェブサイトにて世界の研究者たちに呼びかけてSTAP細胞作製の追試のデータを集め、2014年2月14日から2月19日に間に様々な細胞で試行された10件の報告が寄せられた。その中には追試に成功したという報告は無い。マウス胎児線維芽細胞で追試を試み、多くの自家蛍光が見られたと報告した関西学院大学の関由行は、「いくら詳細な手順が示されているといっても、論文のデータの信頼性が失われた中では再現に取り組みようがない」と述べた。 近畿大学ではリンパ球ではなく線維芽細胞を対象として約30回、細胞を酸に浸す実験に取り組んだ。細胞塊が出現し、万能細胞特有の遺伝子が微弱に反応して発光も見られたものの、発光には緑色だけでなく赤色の光も含まれていた。発光は死細胞の自家蛍光で、遺伝子の反応は極めて微弱で不十分なものであり、STAP細胞の再現には至っていない。また、9月に発表されたバカンティ・プロトコルで言及されたATPを酸に追加することも試したが、失敗している。
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