都市建設の伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/26 13:53 UTC 版)
「エリュクス (古代都市)」の記事における「都市建設の伝説」の解説
ディオドロスが伝える別の伝説によると、街も神殿も名祖となった英雄エリュクスが建設した。ヘーラクレースがシケリアのこの地域を訪れたときに、エリュクスはレスリングの試合を挑んだが敗北してしまい土地を失った。しかしヘーラクレースはエリュクスの領地を自分の子孫がやって来るときまで土地の人間に預けて去った。エリュクスはアプロディーテーとブーテースの間の子であり、この地の王であった。ウェルギリウスはしばしばエリュクスはアイネイアース(半神半人のトロイアの武将)の兄弟であるとほのめかしているが、この街の建設者とは述べていない。このアイネイアースとトロイアの指導者であるエリムス(やはりアイネイアースの兄弟でエリュクスと混同されることがある)とつながる創設伝説は、トゥキディデスが述べるエリュクスとセゲスタ(現在のセジェスタ)は、もともとシケリア先住民であるエリミ人(en)の都市であったという歴史的事実と符合する。また殆どの古代の歴史家がエリミ人はトロイア人の子孫であると述べている。 ロドスのアポローニオスの叙事詩『アルゴナウティカ』には別の説が述べられている。ブーテースはアテナイから来たアルゴナウタイ(航海する英雄)であり、セイレーンの歌声のために船外に落ちてしまった。溺死しそうになったが、キプリス(アプロディーテー)の情けのために救われた。キプリスはブーテースを彼女が治めるエリュクスに運び、リルバイオンの岬に定住させた。
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