部位認識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 14:19 UTC 版)
ヌクレアーゼは、核酸分子を切断する前に、核酸と結合しなければならない。それには、ある程度の認識が必要となる。ヌクレアーゼは、その認識と結合の様式において、特異的および非特異的な結合の両方をさまざまに用いる。どちらの様式も、生存生物内、特にDNA修復において重要な役割を果たしている。 DNA修復に関与する非特異的エンドヌクレアーゼは、DNAを走査して標的配列(英語版)や損傷(英語版)を探し出すことができる。このようなヌクレアーゼは、DNAに沿って拡散し、標的に遭遇すると、その活性部位の残基はDNAの化学基と相互作用する。EcoRV、BamHI(英語版)、PvuIIなどのエンドヌクレアーゼの場合、この非特異的結合には、タンパク質の最小表面積(英語版)とDNAとの間の静電的相互作用が含まれる。この弱い結合により、DNAの全体的な形状は変形せず、B型構造(英語版)のままとなる。 これに対し、部位特異的ヌクレアーゼは、はるかに強い結合を形成し、DNAをそのDNA結合ドメインの深い溝に引き込む。これによりDNAの三次構造が大きく変形し、塩基性(正電荷を持つ)の残基を多く含む表面が実現される。それはDNAとの広範な静電的相互作用に関与する。 DNA修復に関与するヌクレアーゼの中には、部分的な配列特異性を示すものがある。ただし、ほとんどは非特異的で、塩基対の不一致によってDNA骨格に生じた構造異常を認識する。
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