遺跡の特質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 22:03 UTC 版)
入の沢遺跡は、古墳文化の北限に位置する大規模集落遺跡である。本遺跡から出土した銅鏡、鉄製品、玉類、水銀朱などはいずれも古墳時代前期における最北の出土事例である。そして、こうした古墳副葬品に匹敵する内容の遺物が1軒の竪穴建物跡から出土したという点も他に類例がない。銅鏡、鉄製品、玉類、水銀朱などは交易によってしか入手しえない品である。延長330メートルに及ぶ大溝を掘る大規模土木工事を実施している点も合わせ、この集落に暮らした人々は相当の有力者であったことが明らかである。土塁、溝、塀という三重の区画施設を有する防御性の高い集落も東北地方では他に例をみない。高い防御性に加え、尾根上の平坦地に建物が密集するという立地条件からみても、この集落は自然発生的なものではなく、意図的に形成されたものとみられる。このように、入の沢遺跡は、遺構、遺物ともに他に類例のない特色をもった遺跡である。
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