遺体保存方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 14:24 UTC 版)
「ロザリア・ロンバルド」の記事における「遺体保存方法」の解説
ロザリアの遺体には、遺体保存専門家で医師でもあったアルフレード・サラフィア(英語版)の手により防腐処置が施された。サラフィアが秘密主義者であったため、遺体保存方法は永年に亘り不明とされ、ロザリアの遺体はカタコンベ内における謎や奇蹟と見なされてきた。しかし2009年、イタリアの生物人類学者ダリオ・ピオンビーノ=マスカリ(イタリア語版)の調査により、個別の遺体保存事例の使用薬品や保存処置手順などを記録したカルテが、サラフィアの2番目の妻の子孫の手元で発見され、具体的な保存方法が明らかになった。サラフィアのカルテによれば、ロザリアの遺体の防腐処置に用いられた薬品はホルマリン、塩化亜鉛、アルコール、サリチル酸及びグリセリンである。アルコールが遺体のミイラ化を促進した一方で、グリセリンが適度な湿潤を保ち、サリチル酸が菌の繁殖を防いだと考えられている。特に評価すべきは亜鉛塩で、この作用によってロザリアの体が腐敗を免れたと見られている。また、最後にパラフィンが頬に注入された。パラフィン注入は顔をふっくらと保つためだと考えられる。 現在ロザリアは、上述の遺体保存方法により腐敗と乾燥を免れつつ、全身が石のように硬直しているものと考えられており、このサラフィアによる独自のミイラ製法は、遺体保存に対し冷凍を主とするアメリカの医師たちから絶賛された。
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