道路上の痕跡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 19:58 UTC 版)
併用軌道を廃止する場合、事業者は原状を回復する必要があるため、原則として軌条類は撤去される必要がある。しかし、都電の大規模廃止が実施された時期は、全国的に事業者の経営問題による軌道の廃止が相次いでおり、現状復旧費用が事業者の収支をさらに悪化させる懸念があったことから、特例として軌条の上に5センチのオーバレイ舗装を行うのみで原状復旧とみなしてよいこととなっていた。このため、経年により道路上に線路のある部分が浮き出し、軌道がわかるような箇所がいくつか存在したが、後の舗装改修時の撤去や街路拡幅工事などにより2000年代前半までに概ね処理されており、現在はほとんど残っていない。2020年1月、お茶の水橋の改修工事に伴って舗装の下から錦町線(太平洋戦争中に休止されたまま廃止)の線路が露出して話題となった(改修に伴い撤去予定)。 なお、銀座通り(通三丁目 - 新橋)については、使用していた軌条をすべて共同溝の立杭に転用しているほか、軌道の敷石に使用していた御影石は整備のうえ歩道の舗石としてリサイクルしており、大規模撤去の対象区間でありつつも、例外的に完全な撤去が行われた。 若干性格は異なるが、博物館明治村に移築保存されている新大橋(一部)の橋上には、現役当時敷設されていた都電の軌道が再現されている。
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