過剰曝露のバイオマーカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 18:30 UTC 版)
「カドミウム中毒」の記事における「過剰曝露のバイオマーカー」の解説
低レベルであっても過剰な量の環境中のカドミウムに慢性的に曝露している患者においては、尿中のβ2-マイクログロブリン濃度上昇が腎機能不全の初期の兆候となりうる。尿中β2-マイクログロブリン検査は、カドミウム曝露を間接的に測定する方法として用いられる。米国労働安全衛生庁(英語版、ドイツ語版、スペイン語版、フランス語版)は、高レベルのカドミウムに長期曝露している労働者に対し、腎損傷のスクリーニングを義務化している。血中および尿中カドミウム濃度は、産業現場における過剰曝露やそれにともなう急性中毒の良好な指標となる。また臓器(肺、肝臓、腎臓)繊維中のカドミウム濃度は、急性中毒または慢性中毒による死亡の判定に有益となりうる。カドミウムの過剰曝露のない健康なヒトのカドミウム濃度は、一般に血中、尿中とも1μg/L 未満である。米国産業衛生専門家会議(英語版、イタリア語版)(ACGIH)が策定した血中および尿中カドミウム濃度の生物学的曝露指標は、無作為検体においてそれぞれ5μg/L、5μg/g・クレアチニンである。カドミウムの慢性曝露による持続的な腎損傷のある患者の血中および尿中カドミウム濃度は、しばしばそれぞれ25-50μg/L、25-75μg/g・クレアチニンに達する。急性中毒からの回復患者では、通常それぞれ1000-3000μg/L、100-400μg/Lに達し、致死例では時にそれらをはるかに上回る。
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