過剰生産能力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 08:35 UTC 版)
過剰生産能力とは生産能力のうち実需要分を超過しているものである。 2000年代には一部産業において生産能力が世界的に余剰になった。例として2000年代後半以降の中国鉄鋼産業が挙げられる。過剰生産能力が生まれる要因は様々存在し、例えば上記中国鋼鉄産業では「WTO加盟を契機とした投資(融資・政府補助等)の急速拡大、結果としての国有企業の設備余剰」が要因の1つとして挙げられる。 過剰生産能力が問題となるのは過剰生産能力にコストがかかる場合である。多くの産業では過剰生産能力を利用しない場合(=減産=稼働率低減)にも一定のコストが発生する(固定費用)。例えば鉄鋼産業では工場の稼働率を下げても炉の火を絶やさないためのコストが必ず発生する。固定費用の1つには人件費も含まれる。例えば20億円/年の生産能力を有する専門家を年俸10億円1年契約で雇用する場合を考える。20億円/年の生産能力に対して需要が5億円/年しかない場合、15億円分の生産能力は過剰生産能力であり、10億円/年の固定人件費のために5億円の損害が発生してしまう。このように、高い生産性を有していても過剰生産能力にコストがかかる(固定費用が存在する)場合はそれが問題となりうる。
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