運送業者の患者搬送車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 06:52 UTC 版)
運送業者が所有する患者搬送車は、一般に「介護タクシー ・福祉タクシー・民間救急」と呼ばれるもので、車体に「民間患者等搬送車両」と表示してあり、緑ナンバーである。「患者等」とある通り、患者以外の者(障害者など)でもタクシーと同じように利用できる。 通常のタクシー運賃に加え、介護料が別途かかるため、一般的なタクシー運賃よりも割高な料金であるが、症状の軽い または 安定している患者等をメインに、誰でも利用できる。 運送業者所属の介護ヘルパーや看護師、救急救命士の有資格者が同乗していたとしても、車内で受けられるサービスは介護程度の水準に留まり、一般人向けAEDを含む「簡易な応急手当て」の範囲を超えた医療行為は、あとで責任問題となるため、通常は行われない(救急救命士(有資格者を含む)は、本物の救急車内など 法令で認められた場所以外で救急業務を行う事は、メディカルコントロールの観点から法律で明確に禁止されている。ただし、緊急避難として喀痰吸引等を行う事はある。 なお、看護師・准看護師が同乗しており、かつ主治医等の指示書があれば車内での医療処置は看護師の権限内で行うことができる。 緊急性の低い軽症患者を、運送業者が救急隊に代わって搬送するのは消防の負担軽減につながる、ということで、地方の消防署の中には運送業者に対して「認定」を下ろしている所もある。(当初は消防が積極的に利用を推奨している訳ではないため、認定という表現になったが、近年では救急車の適性外利用が増えており、消防司令が緊急性が無いと判断できる案件については管轄の民間救急に連絡するよう促す例も増えてきた) 最近では車両更新により廃車となった救急車を払い下げてもらい、塗装し直して患者搬送車に再利用している業者もいる。
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