連続体仮説の公理性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 08:18 UTC 版)
現代数学では標準的な枠組みとして ツェルメロ-フレンケルの公理系 ZF や ZF に選択公理を加えた公理系である ZFC を基礎に理論構築がなされているが、ZF や ZFC と連続体仮説は独立である。つまり ZF や ZFC に連続体仮説を付け加えた公理系も、連続体仮説の否定を付け加えた公理系も、無矛盾である。連続体仮説は ZF や ZFC においては真としても偽としてもよいともいえる。 ゲーデルは、連続体仮説は偽であると強く主張したことで知られている。彼の見方では、連続体仮説の独立性の証明は ZFC に欠点があることを示しており、もっとよい公理系を選べば連続体仮説が偽であることが証明できると考えたのである。その立場を強固に推し進めた最後の論文は、学会誌には掲載されずに返還されてしまった。多くの集合論の専門家は、連続体仮説は偽であると考えているか、または真偽に対して中立的な立場を取っている。 ヒュー・ウッディンのように連続体仮説が偽であるとする専門家のうちには、「自然な仮定」を加えて構築される数学モデルでは連続体濃度が ℵ 2 {\displaystyle \aleph _{2}} に一致するといった形で定式化を試みる動きもある。
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