近縁種の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/16 06:08 UTC 版)
ハナバチ類は花蜜と花粉を食料とし、巣穴をつくってこれらを貯蔵し、幼虫の食料とする。これを狙うものにやはり近縁のハナバチ類がある。労働寄生性の種はハナバチ類の様々な分類群に散見され、それぞれ独立に進化したらしい。形態的には花粉運搬のための構造を失っているので判別できるが、同時にそれらは往々にして甲冑のような表皮と奇抜な色彩を持つ。その数は種数にしてハナバチ全体の一割にも達する。 たとえばオオハキリバチは典型的な単独性のハナバチで、夏に花粉と蜜で団子を作り、竹筒などを仕切って巣穴としてここに貯蔵する。この種に寄生するハナバチ類としてトガリハナバチとハラアカハキリバチヤドリの2種のハナバチが労働寄生する。 この2種の寄生の方法ははっきりと異なる。トガリハナバチはオオハキリバチの営巣を監視し、宿主が不在の間に何度か巣内を確かめて十分な餌が貯蔵されるのを待ち、巣の奥、餌と壁の隙間に卵を産み付ける。次に餌の補給が行われると、この卵は埋もれて見えなくなる。宿主は巣を完成させて産卵して巣を閉じる。寄生者の幼生は孵化すると餌を食べ、途中で宿主幼生を食い殺すらしい。 ハラアカハキリバチヤドリはオオハキリバチが空洞を仕切って複数の巣を完成した直前または直後に侵入し、巣穴を掘り返し、その材料を使い、内部を作り直してあらためて自らの巣を作る。複数の部屋を作り、それぞれに産卵する。その際に宿主のオオハキリバチと衝突した場合、これを攻撃して追い出し、時には刺殺する。
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