近海護衛艦・小型対潜艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 17:53 UTC 版)
「コルベット」の記事における「近海護衛艦・小型対潜艦」の解説
1930年代後半より、イギリス海軍では、戦時に備えて局地防衛用の沿岸警備艦艇の急速建造についての研究に着手しており、捕鯨船をベースにした対潜艦艇を開発した。これは当初、単に対潜捕鯨船(A/S whaler)と称されていたが、1941年1月3日、フラワー級コルベットと改称され、近代におけるコルベットの端緒となった。また既存の沿岸スループもコルベットと称されるようになった。 第二次世界大戦後、イギリスではコルベットという呼称は消滅したが、世界的には、主に近海用護衛艦を指す呼称として広く使われるようになった。西側諸国での戦後型コルベットの先駆者となったのがイタリア海軍とポルトガル海軍であった。イタリアはまずアルバトロス級を建造し、ピエトロ・ディ・クリストファロ級に発展させたほか、オランダ、デンマーク、インドネシア(パチムラ級)、更にアメリカを介してタイやイランにも準同型艦(PF-103級)を輸出した。 一方、ポルトガル海軍では、まず簡易的な装備で建造されたジョアン・コーチニョ級は植民地戦争で、続いてより先進的な装備を施したバッティスタ・デ・アンドラーデ級は近海護衛艦として、それぞれ活躍した。またスペイン海軍のデスクビエルタ級やフランス海軍のデスティエンヌ・ドルヴ級などもこれに範をとったものであった。 またソ連海軍でも、従来の駆潜艇よりも有力な近海用対潜艦として、204型(ポチ型)を端緒として小型対潜艦(MPK)の整備に着手し、1124型(グリシャ型)などを建造した。これらのうち、1241.2P型(パウク型)は1241型大型ミサイル艇(タランタル型)から派生させるかたちで開発されるなど、技術的には、小型対潜艦と大型ミサイル艇・小型ミサイル艦の系譜は近くなっていた。 フラワー級(写真は米海軍艦) ポルトガル海軍ジョアン・コーチニョ級 ソ連海軍グリシャ級
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