軍事探偵説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 15:43 UTC 版)
世界一周無銭旅行の途中、春吉はアルプス付近の宿で憲兵巡査数人から無政府党員、もしくは軍事探偵の嫌疑で取り調べを受けている。帰国後の春吉は、日露戦争の前後という時期に満州や朝鮮と日本との間を何度も往復している。これについて、春吉は軍事探偵の命を帯びていたという説が当時からある。 春吉自身はこれを否定しているものの、同時に「身命を賭して目指す敵国の勢力範囲に飛込んだ吾々、単に飴を売って生活して行けばいいというものでもない。其処は予め推量を願って置く」とも述べており(雑誌『冒険世界』、大正2年6月号)、これは暗に自らの立場を語っているともとれる。 また、霊動法の門弟であった石川清浦は、「先生(引用者註・春吉のこと)は大隈侯やその他当時の政府関係の人たちの内命で満州に行かれた。そして各国語が達者なために随分危険を冒して大きな役目を果されたということでした。それで大隈さんや床次さん、乃木さん、上泉さん、頭山翁などに非常に愛されて居られたが、全て表の仕事でなかったために表立って報いられる事なく」と語っている。
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