身内に不幸がありまして
身内に不幸がありまして
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/18 01:22 UTC 版)
「儚い羊たちの祝宴」の記事における「身内に不幸がありまして」の解説
初出:『小説新潮』2007年6月号 事件の経緯は上紅丹(かみくたん)地方を牛耳る大名家である丹山家の使用人・村里夕日の手記で綴られる。使用人として孤児院から丹山家に引き取られた夕日は、丹山家の娘・吹子の下につき、共に年月を過ごしていた。だが、吹子が大学に進学して「バベルの会」に籍を置き、会の読書会を二日前に控えた7月30日頃、丹山家の不肖の息子・宗太が屋敷を襲撃する事件が発生。夕日と吹子によって宗太は左手を斬りおとされ行方をくらまし、その後宗太は対外的に死亡したとして処理される。しかし翌年、翌々年の7月30日に丹山家の関係者が殺されていく。 村里 夕日(むらざと ゆうひ) 丹山家使用人。5歳の頃に孤児院から丹山家に引き取られ、吹子が小学校の頃から彼女のの身の回りの世話をしてきた。初対面時に吹子に優しく言葉をかけられて以来、彼女と憧れと敬愛の情を抱いている。吹子をいじめる神代や満美子を良くは思っていない。 丹山 吹子(たんざん ふきこ) 丹山家長女。武術に優れ、人付き合いにそつが無く、丹山家の後継ぎとして親戚らに寸部の隙のなく付け入らせずに立ち振舞う完璧な女性。大層な読書家で自分の部屋に秘密の書架を夕日に作らせ、木々高太郎や小酒井不木、海野十三や江戸川乱歩などの本を揃えており、夕日ともその本の貸し借りをしていた。大学生の頃に「バベルの会」に入会する。 大旗 神代(おおはた かみよ) 吹子の大叔母。自分の孫に丹山家の跡を継がせたい一心から吹子に嫌がらせをし、粗を探す。普段は「山手のお屋敷」と呼ばれる別邸で暮らしている。 大旗 満美子(おおはた まみこ) 吹子の叔母。息子に丹山家の跡を継がせたいと考え、神代と同調して吹子に嫌がらせをする。普段は丹山家の屋敷の敷地内の離れに夫と住んでいる。 丹山 高人(たんざん たかひと) 吹子の父親。病が原因で次の子宝に恵まれることがなかった。 丹山 宗太(たんざん そうた) 丹山家長男で吹子の兄。素行が非常に悪く粗暴な性格で、興奮すると手がつけられない。吹子曰く「前に人を殺しかけたことがある」とのこと。「丹山家の名を汚した」ことをしでかし、吹子の中学進学に伴い勘当された。
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