起業前夜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 09:06 UTC 版)
1994年(平成6年)10月、7年半在籍したシステム開発会社を退職し、個人のシステムコンサルタントとして活動を始めた。知り合いのエンジニアたちに声をかけてパッケージソフト開発プロジェクトの研究会を発足させた。「日本の大手企業向けERP(基幹業務パッケージソフト)が存在しない」という、大きな矛盾を抱える問題を解決するため。このパッケージソフトの開発には、日本の大企業の幅広い業務知識を有した人材、多数の優秀なエンジニア、莫大な投資が必要となる。ひとりの手に負えるものではなかったので、研究会でつくったパッケージソフトの雛形を持って、大手システム開発企業に「この事業をやりませんか」と事業モデル自体を提案しに行った。しかし、彼らは彼らでオーダーメイドのシステム開発の仕事を受託しているわけで、多額の費用と長い時間をかけてまで、受託額を減らすようなパッケージソフトをつくりたがらない。いつまでたっても、本来は経営の効率化を図るためのIT化戦略が、大企業にとってはずっと大きなコストのまま。牧野はこの悪しき体質に憤りを覚えた。 そんなとき、研究会に参加していたトップエンジニアの石川芳郎が、「こうなったら自分たちで立ち上げよう」と言ってくれた。しかし、牧野は石川以外に最低もうひとり、マーケティングとマネジメントに長けた人材の必要性を感じていた。そこで思い当たったのが、あるコンサルティングファームに在籍していた阿部孝司だった。当時の阿部は、ヘッドハンティングがかかっていて一部上場企業の副社長というポストに就くことがほぼ決まっていた。そこを、「これは日本企業の競争力を高める社会貢献事業なんだ!」と一所懸命に口説き、阿部を引きずり込むことに成功する。
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