講堂・本館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 21:31 UTC 版)
特筆される校舎として講堂・本館がある。現鼓阪小学校の校舎は1934年の室戸台風により大きな被害を受けた。講堂・本館はこの災害復旧の一環として1936年に完成した。 講堂・本館は破風造りの大屋根を持つ純和風の鉄筋コンクリート造りの建物である。壁は白いモルタルで、玄関には大型自動車が横付けできる規模の車寄せがある。当時の奈良市は公会堂を所有していなかったため、この建物を公会堂として兼用することが考えられていた。完成当時、講堂には映写機が装備され、床面積を減らさないよう映写室が天井釣になっていたという。また、純和風の外装だけでなく、例えば、玄関の下足室の出入口には上部が半円にくりぬかれた特徴的な意匠が、講堂の床にはモザイク張りが施されているなど、建物各所に特徴的な意匠が見られる。 当時の学校建築は洋風のコンクリート造りが一般であったが、鼓阪小学校の立地上、洋風の建物では付近の景観と不似合であるため、当時の奈良市長 石原善三郎が寺院建築様式の建物を構想したという経緯がある。総工事費は当時の金額で87,227円にのぼり、予定金額よりも4,000円超過したため、市会で問題となった。市長は一案を思いつき、正倉院の隣であることを考慮して和風の防火建物で建設したと宮内省に申し出て、超過分4,000円を宮内省から下賜金として獲得し、事なきを得たという。
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