調剤と矢への塗布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/07 22:39 UTC 版)
上記のような原料から、樹液を採取する・すり潰す・熱す・水にさらす等の方法で毒素が抽出される。複数種の材料を調合することも一般的であり、その場合は毒素同士の拮抗を避け、協力を引き出す調合法が経験的に用いられている。毒液を煮詰めて濃度を上げる、腐敗させるといった方法で毒素を強化する場合もある。 完成した矢毒は、「毒液に矢を浸して乾燥、を繰り返す」「タール状にして、鏃に彫られた溝に塗り込む」「鏃に松脂を塗り、乾燥させ粉末にした毒素をまぶす」等の方法で矢の先端に展着される。矢柄・矢尻に先端を尖らせた葦など中空の植物の茎を用いて中に毒液を仕込み、注射針の要領で矢毒を打ち込む方法もあった。 但し、毒性は強ければ良いとは限らない。狩猟に毒矢を用いる場合、食肉が汚染されては意味がないからである。二次的な中毒を避けるため、「調剤の段階で適度に毒性を抑える」「消化管から吸収されない毒を使う(d-ツボクラリン等)」といった工夫がされる。また、狩猟の現場では、獲物を仕留めたら直ちに毒矢の傷口周辺の肉はこそぎ取って捨てられる。
※この「調剤と矢への塗布」の解説は、「毒矢」の解説の一部です。
「調剤と矢への塗布」を含む「毒矢」の記事については、「毒矢」の概要を参照ください。
- 調剤と矢への塗布のページへのリンク