課題図書・選出の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 05:35 UTC 版)
課題図書の選出過程については、以前から問題が指摘されている。 小学校の初等教育において読書感想文に使用する課題図書は、青少年読書感想文全国コンクール(毎日新聞社、全国学校図書館協議会主催)において指定された課題図書から流用することが往々にして見受けられる。 このような事情から課題図書に選出されると全国の小学校の児童の親が購入することになり、作者・出版社に莫大な利益をもたらすことが約束される。しかしこの指定課題図書への選出基準は曖昧かつ不透明であり、作家・出版社・選考委員の癒着による影響が懸念されてきた。 課題図書問題について、児童文学作家である山中恒は次のように語り、課題図書選出制度につき痛烈に批判している。 ふつう児童図書は、どんなに売れるといっても、年間四~五万部。だから「課題図書」になるかならないかは、出版社とりわけ規模の小さな社には大きな問題になる。「教科書の採択みたいなもの」と形容する出版社もあるほど「課題図書に一冊はいれば、三年分うるおう」という話もきいた。そのため「内容に冒険はできない。選考の傾向にあったものをねらって本づくりをする」と舞台裏を話す社もある。それだけに、一般には公表されていない〃覆面の選考委員〃に接近をはかったり……。ことしも「課題図書」は他の児童図書をしり目に売れるだろう。
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