説明できない現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 14:31 UTC 版)
「標準模型を超える物理」の記事における「説明できない現象」の解説
標準模型は本質的に不完全な理論である。標準模型では十分に説明されていない基本的な物理現象がある。 重力。標準模型は重力を説明していない。まだグラビトンは発見されていないが、標準模型に単にグラビトンを追加し、他の変更を加えないというアプローチでは、実験的に観察されたことを再現することはできない。さらに、標準理論はこれまでで最も成功している重力理論である一般相対性理論と両立しないと広く考えられている。 暗黒物質。宇宙論的観測により標準模型が宇宙に存在するエネルギーの約5%しか説明していないことが分かる。約26%は暗黒物質と考えられており[要出典]、これは他の物質と同じように振舞うが、標準模型の場での相互作用は(あったとしたら)弱い相互作用しかない。そうであっても標準模型から良い暗黒物質の候補である基本粒子が与えられることはない。 ダークエネルギー。宇宙エネルギーの残りの69%はいわゆるダークエネルギーつまり真空に対して一定のエネルギー密度でなくてはならない。標準模型の真空エネルギーに関してダークエネルギーを説明しようとするとその大きさで120桁のミスマッチが生じる。 ニュートリノ質量。標準模型によるとニュートリノは質量のない粒子である。しかし、ニュートリノ振動実験によりニュートリノが質量を持っていることが示された。ニュートリノの質量項は標準模型に追加することができるが、新たな理論的問題が発生する。例えば、質量項は非常に小さい必要があり、ニュートリノ質量が他の基本粒子の質量が標準模型で生じるのと同じように生じるかどうかは明らかではない。 物質-反物質非対称性。宇宙は大部分が物質でできている。しかし、標準模型は宇宙の初期条件が反物質と比較して不均衡な物質を含んでいない場合、物質と反物質は(ほぼ)等量で生成されるべきであると予測している。ただし、この非対称性を説明することのできる機構は標準模型にはない[要出典]。
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