オームの音響法則
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1843年、ゲオルク・オームによって、音色は高調波の合成で構成されるという説が提案された。1859年、ヘルマン・フォン・ヘルムホルツによって、構成される高調波間の位相は音色に関係しないという説が提案された[1]。前者の説、あるいは前者と後者を合わせた説がオームの音響法則と呼ばれる。後者の説は単独でヘルムホルツの位相律とも呼ばれる。
ヘルムホルツの位相律
ヘルムホルツは音叉と共鳴管に細工をして倍音に位相差をもたせる実験をおこない、音色が位相に依らないという結果を得た[1](同時に、特定の条件では位相が音色に影響するとも報告している[5])。この実験結果に基づき「持続音の知覚に位相は無関係である」とする学説がヘルムホルツの位相律である[2]。
高調波の位相が音色に関係するかどうかは、ヘルムホルツとオーガスト・ゼーベックとの間で論争が行われた[要出典]。
技術の進歩により音響の精密な生成・再生・聴取が可能になり、様々な実験がおこなわれた結果、現在ではこの学説は否定されている。一般に位相は音色や聴覚的ピッチ[注 1]に影響する(特定条件でのみ影響しない)。
脚注
出典
- ^ a b
Alle die Phasenänderungen, welche auf solche Weise hervorgebracht werden können, verändern nicht die Klangfarbe, wenn die Stärke der Töne dieselbe bleibt, so dafs also die früher gestellte Frage im Allgemeinen dahin beantwortet wird, daſs die musikalische Klangfarbe nur ab-hängt von der Anwesenheit und Stärke der Nebentöne, die in dem Klange enthalten sind, nicht von ihren Phasenun-terschieden.
(Helmholtz 1859, p. 289) - ^ a b
彼は有名なヘルムホルツの位相律:「楽音については耳は位相を感じない」を発表した
p.2 より引用。日本音響学会『聴覚モデル』コロナ社〈音響サイエンスシリーズ〉、2011年8月30日。ISBN 978-4-339-01323-8。 - ^
音色に関する Helmholtz の位相律
p.294 より引用。 今井, 聖 (1980). “音声合成の手法”. 計測と制御. 19 (3): 293–299. - ^
人間の聴覚は位相聾であると言われることがある ... “The ear is deaf to phase” は,Helmholtz が行った実験から述べている
p.23 より引用。 薗田, 光太郎 (2014). “位相変調の検知とエコー知覚を利用した音響電子透かし”. 日本音響学会誌. 71 (1): 23–27. - ^
Indessen muſs ich gleich bemerken, daſs scheinbare Aus-nahmen vorkommen. Es können sich bei hinreichend star-ken Tönen Combinationstöne einmischen, die je nach den Phasenunterschieden die primären Töne theils schwächen
(Helmholtz 1859, p. 289)
注釈
関連項目
参考文献
- Helmholtz, Hermann Ludwig Ferdinand von (1859). “Über die Klangfarbe der Vocale”. Ann. Physik. Chem. 18: 280–290.
オームの音響法則
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「ゲオルク・オーム」の記事における「オームの音響法則」の解説
詳細は「オームの音響法則」を参照 オームの音響法則とは、音楽などの音色は一連の高調波の組み合わせとして耳で認識されているというものである。ただし、後にこれは必ずしも正しくないことが判明している。
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