誕生と位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 08:58 UTC 版)
パーシヴァル・ローウェルは、1895年の著書『火星』において「海王星の外側に惑星Xが存在する可能性」を挙げた。アリゾナのローウェル天文台は、1930年の1月ごろにそれらしい天体を発見し、3月13日に9番目の惑星を発見したと正式に認める。ラブクラフトは、幼少から天文学に非常に興味があり天体望遠鏡を眺め、友人らを自宅に呼ぶと彼らにも薦めていた。また天文学に関する記事や詩を新聞や雑誌に投稿していた。そんな彼が小説『闇に囁くもの』において9番目の惑星を登場させている。ローウェル天文台が9番目の惑星を発見したの1月ごろだが、ラブクラフトは2月ごろに執筆を始め、完成したのは9月である。 友人モートン(James F. Morton)にラブクラフトは、1930年3月15日の手紙で「Whatcha thinka the NEW PLANET? HOT STUFF!!! It is probadly Yuggoth.(本当に新惑星と思う?すごい!それがたぶんユゴスだ)」と書いている。 しかし、その後のクトゥルフ神話の作家たちは、冥王星が発見当時よりセンセーショナルな印象を失ったことと、手紙でも両者が同一であると断言されていない点(先述の太字:probadly/たぶん)から、ユゴスが冥王星と別の惑星である可能性を考えた。実際に2006年に冥王星が惑星基準から外れて太陽系第9惑星ではなくなったことで、この設定は、確立した。天文学者カルボナニ(Albino Carbognani)は、「惑星ユゴスが名付けられる可能性ができた」とコメントしている。
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