認知ドメイン(Cognitive Domain)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 04:05 UTC 版)
「認知文法」の記事における「認知ドメイン(Cognitive Domain)」の解説
では、概念内容とはどのような構造になっているのだろうか。Langackerは認知ドメイン(Cognitive Domain)という概念を用いてその構造を説明する。認知ドメインとは、概念内容を構成する意味フレームの束であり、どのドメインのどこをプロファイルするかによって多様な言語表現の意味が表現可能となると考えられている。 例えば、「グラス」という概念は、我々は単に形だけをその意味として持っているのではないことは容易に分かる。例えば、その意味は「空間領域」や「形状領域」においてその独特の「形」、「色彩領域」においてはその「色」が決定する。また「機能」という領域においては「液体を入れる」とか「体内に液体を摂取する」などの意味が規定される。ほかにも「素材」という領域において「ガラス製」という特性が規定されたり、さまざまな領域において複合的に意味が決定され、それが総体となって「概念内容」が構成される。そして、その領域のどの部分をプロファイルして際だたせるかによって多様な言語表現が可能となる。 グラスは割れやすいものだ このグラスは小さすぎる このグラスはとても美しい 上のような表現は上から順に、「素材領域」「機能・形状領域」「色彩・形状領域」などが関与していることが理解できる。それは我々が意味を単に形や機能だけで捉えているのではなく、いろいろな領域・場面(認知ドメイン)の総体として意味を知っているからある。
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