詩人ドライド、その高邁な性格と高名の女流詩人トゥマーディル・エル・ハンサーへの恋
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 10:08 UTC 版)
「千夜一夜物語のあらすじ」の記事における「詩人ドライド、その高邁な性格と高名の女流詩人トゥマーディル・エル・ハンサーへの恋」の解説
詩人かつ剛勇の士であったジュサーム部族のドライドは、敵対するラビアー率いるフィラース部族を略奪に出る途中、女を連れた男を見つけた。女を差しださせるよう要求する使者を出すが、いずれの使者も男に突き倒され帰ってこない。それが数度におよび、自ら赴いたドライドは、男がラビアーその人であることを知る。そして、直前の使者を倒したときに槍を破損し、丸腰であるのを見て取ると、自分の槍を渡して立ち去らせた。 数年後、ラビアーが戦死し、復讐に燃えるフィラース部族はドライドを捕虜にした。名と身分を隠していたドライドだが、女たちの一人が彼の姿を認めた。以前ラビアーに守られていた女、ライタだった。ライタはかつてドライドがラビアーに対し高邁な態度を見せたことを説き、ドライドのものであった槍を渡し、彼を解放した。以後ドライドはフィラース部族とは戦わなかった。 年老いたドライドは、女流詩人トゥマーディル・エル・ハンサーに恋をし結婚を申し込む。トゥマーディルは女奴隷に命じてドライドが小用を足すところを覗かせ、男の機能を判断した上で断りを入れる。ドライドはそれに対し風刺詩をうたい、世間の評判をとった。対するトゥマーディルも、弟が戦死したときに見事な詩を吟じ、その才は男を凌ぐものと評価された。
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