許容電流の改善
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 09:17 UTC 版)
「ボールベアリングモータ」の記事における「許容電流の改善」の解説
ベアリングモーターの欠点は、剛球の2箇所の接点の許容電流容量が極端に低いことにある。たとえば、毎分1000回転のベアリングに電流を1Aを数時間通電しただけで、剛球の転動面に電食が発生する場合がある。一般には電食に対処するためには、導電性グリースを用いることが勧められている。油脂中にマイクロカーボンを分散させた、体積抵抗率が100~1KΩ・cm程度の導電性グリースを使用すると電食はかなり防いだという報告もある。それで、ベアリングの寿命を縮める電食をできるだけ低減するために、可能なら、ベアリング内のグリースを一旦除去し、内部の転動面に導電性グリースを塗布できる。さらに、電食を改善する方法としては、ベアリングの内輪に中心軸方向の与圧を与えて剛球とレース間の隙間をなくすることにより、ほとんどすべての剛球に通電させることが可能である。こうすることにより、電流が特定の剛球だけを流れてしまうのを防止でき、電流をより多く流すことが可能になる。さらに、根本的な改善としては、剛球使用しないで、円筒ころ軸受のベアリングに変更することである。こうすることにより、電流の接触部分が線状となるため、剛球の場合と比較して接触抵抗を大幅に低減させ、それによって、許容電流を十分増加することが可能になる。
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