記述式の行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 23:23 UTC 版)
代数ではなく、「QR」「KN」といった初期配置の駒の位置で列(ファイル)を表現する方法。英語では「Descriptive chess notation」、または「Descriptive (code) notation」と呼ばれている。書籍によっては「英米式」などの日本語訳もあるが、現在では「記述式」の表現が最も多い。 記述式の最大の特徴は、白側と黒側で行(ランク)の数字が逆になり、座標が二重化・複雑化する点である。 例えば白の「P-K4」と黒の「P-K4」は、ポーンを同じマスに移動させたのではない。それぞれ、代数式の「e4」「e5」にあたる。 記述式の棋譜を扱う場合は、白側と黒側とで異なる対応表を使用した方がわかりやすい。白の手前(↑)から 1、2、3、4、5、6、7、8 黒の手前(↓)から 1、2、3、4、5、6、7、8 ↓ 黒から見た記述式の対応表 ↓ QR8 QN8 QB8 Q8 K8 KB8 KN8 KR8 QR1 QN1 QB1 Q1 K1 KB1 KN1 KR1 QR7 QN7 QB7 Q7 K7 KB7 KN7 KR7 QR2 QN2 QB2 Q2 K2 KB2 KN2 KR2 QR6 QN6 QB6 Q6 K6 KB6 KN6 KR6 QR3 QN3 QB3 Q3 K3 KB3 KN3 KR3 QR5 QN5 QB5 Q5 K5 KB5 KN5 KR5 QR4 QN4 QB4 Q4 K4 KB4 KN4 KR4 QR4 QN4 QB4 Q4 K4 KB4 KN4 KR4 QR5 QN5 QB5 Q5 K5 KB5 KN5 KR5 QR3 QN3 QB3 Q3 K3 KB3 KN3 KR3 QR6 QN6 QB6 Q6 K6 KB6 KN6 KR6 QR2 QN2 QB2 Q2 K2 KB2 KN2 KR2 QR7 QN7 QB7 Q7 K7 KB7 KN7 KR7 QR1 QN1 QB1 Q1 K1 KB1 KN1 KR1 QR8 QN8 QB8 Q8 K8 KB8 KN8 KR8 ↑ 白から見た記述式の対応表 ↑ 記述式表記法 Descriptive chess Notation手 白 黒 意 味 1 P-K4 P-K4 白はポーンをK4へ、黒はポーンをK4へ移動させた。記述式はPを省略しない。 2 N-KB3 N-QB3 白はナイトをKB3へ、黒はナイトをQB3へ移動させた。 3 B-N5 P-QR3 白はビショップをQN5に移動させた。黒はポーンをQR3に移動させた。 4 BxN QPxB 白はビショップでナイトを取った。そのビショップを黒はクイーン・ポーンで取った。 5 0-0 P-B3 白はキングサイドにキャスリングを行った。黒はポーンをKB3に移動させた。 6 P-Q4 PxP 白はQ4にポーンを移動させた。黒はそのポーンをポーンで取った。 7 NxP P-QB4 白はナイトでポーンを取った。黒はポーンをQB4に移動させた。 8 N-N3 QxQ 白はナイトをQN3に移動させた。黒はクイーンで白のクイーンを取った。 9 RxQ B-Q2 白はルークでクイーンを取った。黒はビショップをQ2に移動させた。 10 B-B4 0-0-0 白はビショップをKB4に移動させた。黒はクイーンサイドにキャスリングを行った。
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