計算機科学における言語行為
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/15 22:24 UTC 版)
「言語行為」の記事における「計算機科学における言語行為」の解説
言語行為論は、1980年代初めごろから計算機科学にも影響を与えており、特にソフトウェアエージェント間の通信のための形式言語の設計に影響している。例えば、標準化団体 Foundation for Intelligent Physical Agents (FIPA) はエージェント言語 Agent Communication Language (ACL) の意味論を与えるのに、言語行為論を応用している。その意味論は、Phil Cohen、Hector Levesque、David Sadek らの研究成果に基づいている。FIPA ACL の言語行為意味論は認識様相論理を使って準形式的に表され、確実な信念、不確実な信念、欲求、注目点などを表せるようになっている。従って、FIPA ACL を使った場合、原理的にはエージェント間で発話の意味を理解できることが期待される。しかし、FIPA ACL はエージェントシステムには広く採用されるようになっているものの、理論的にも実用的にも様々な批判が寄せられている。 言語行為論が別の影響を与えた例として、テリー・ウィノグラードとフェルナンド・フローレスの 'Conversation for Action' があり、1987年の共著 "Understanding Computers and Cognition: A New Foundation for Design" がある。彼らの研究で最も重要な部分は同書の第五章にある状態遷移図であり、ウィノグラードとフローレスは、協調しようとする2者(人間と人間、人間とコンピュータ、コンピュータとコンピュータのいずれでも構わない)の発語内行為的考え方に基づいて主張している。
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