言語・民族との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 06:59 UTC 版)
「ハプログループC2 (Y染色体)」の記事における「言語・民族との関連」の解説
ハプログループC2はアルタイ諸語と古アジア諸語、ナデネ語族話者に高頻度である。デネ(ナデネ語族話者)に多いのはC-P39であるが、ハプログループQ (Y染色体)がそれ以上に高頻度であり、デネ・エニセイ語族仮説があることから、言語系統を反映しているのはケット人にも高頻度のハプログループQと考えられる。いっぽう古アジア諸語の担い手はC-M48であり、その下位系統の一部がアルタイ諸語と強い相関を示すことから、アルタイ諸語の基層にはニブフ語のような古アジア諸語が想定できるかもしれない。 なおアルタイ系民族(チュルク系民族、モンゴル系民族、ツングース系民族)で高頻度なC2の多くはC-M48やC-P39を含むC-L1373系統であるが、逆に朝鮮民族や漢民族、日本人など東アジアの民族ではC-F1067系統が大半で、C-L1373はわずかである。しかし、バイカル湖周辺のブリヤート共和国に居住するブリヤート、ソヨト、ハムニガン(エヴェンキ)諸先住民族及びカザフのコンギラト部(コヌラト部)に多いC-M407は東アジアに多いC-F1067系統に属している。 C-L1373とC-F1067はおおよそ34,400年もしくは35,383 [95% CI 33,305 <-> 37,537]年前に男系直系祖先の血筋が分かれたと推定されている。なお、朝鮮語の担い手としてC-F1067系統が想定できるかもしれない。 世界諸民族に於ける遺伝子の分布を比較する分子集団遺伝学的研究などによく利用される1000人ゲノムプロジェクトの日本人サンプル(JPT, "Japanese in Tokyo, Japan")56人のうち、2人がC-M217に属しているという結果が2016年の論文で報告されている。 さらに、2人がC-F1067のサブクレードに当たるC-F3850とC-F5477/SK1036(xC-F13762)にそれぞれ分類されている。 Sun et al (2020) は、北アメリカ先住民にも見られるC2a-L1373が最終氷期後の17,700-14,300年前に拡散を開始したと算出しており、アメリカ先住民が25,000年前にベーリンジアにいた集団に由来するとする説に異論を唱えている。
※この「言語・民族との関連」の解説は、「ハプログループC2 (Y染色体)」の解説の一部です。
「言語・民族との関連」を含む「ハプログループC2 (Y染色体)」の記事については、「ハプログループC2 (Y染色体)」の概要を参照ください。
- 言語民族との関連のページへのリンク