解離試験・吸収試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/14 14:41 UTC 版)
目的方法解離液(性状)反応温度反応時間解離液(色)解離後血球の利用試薬説明解離 熱解離 IgM 50 - 56 5 - 10 淡赤色 不可 生食 主にAm、Ax、Ael、Bm、Bx、Belなどの亜型に対し、抗原の存在を証明する吸着解離試験で実施。処理血球の検査はできない。 解離 エーテル解離 IgG 37 30 - 40 暗赤色 不可 エチルエーテル 主に直接クームス陽性血球から、抗体が含まれる解離液を入手するために実施。処理血球の検査はできない。 解離 DT解離 IgG 37 5 暗赤色 不可 ジクロロメタン・ジクロロプロパン 主に直接クームス陽性血球から、抗体が含まれる解離液を入手するために実施。処理血球の検査はできない。 解離 ジキトニン酸解離 IgG 室温 1 無色 不可 ジキトニン液、グリシン塩酸、リン酸緩衝液 主に直接クームス陽性血球から、抗体が含まれる解離液を入手するために実施。処理血球の検査はできない。 解離 グリシン塩酸・EDTA解離 IgG 室温 2 - 3 無色 可 グリシン塩酸・EDTA、1Mトリス/Nacl 抗体解離液が得られ、処理血球の検査も可能。 解離 クロロキン解離 解離液無し 室温 120 解離液無し 可 クロロキン2リン酸 血液型検査を目的とした抗体解離法(抗体解離液は得られない) 解離 ZZAP処理 解離液無し 室温 30 解離液無し 可 DTT・フィシン 自己抗体があると疑われた際、行われる自己抗体吸着のための抗体解離法。 吸収 PEG吸収 解離液無し 37 解離液無し 解離液無し 解離液無し ポリエチレングリコール 自己抗体があると疑われた際に直接、自己抗体を吸着させる方法。ZZAPを使うより簡単だが、自己抗体以外の同種抗体を吸着させてしまうこともある。また、寒冷凝集の場合は試薬は要らず、全血で4℃に1時間保冷すれば自己吸着できる。
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