解体問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/26 15:25 UTC 版)
「クレマンソー (空母)」の記事における「解体問題」の解説
退役後、航空母艦としての売却が持ち上がったこともあったが、最終的にはスクラップ目的で売却されることとなった。しかし、700tあるいは1,000tもの大量のアスベストが残存することが判明した。当初はスペインでアスベスト除去作業を行う予定だったが、業者がアスベスト除去作業を費用が安価なトルコで行うよう無許可で計画変更したことからトルコ政府から受け入れを拒否された。このためフランス国内でアスベスト除去作業を行うこととなり、フランス政府発表によると45tまでアスベスト残存量が減少したとされる。 2005年12月31日にインドのグジャラート州アランでの解体のためトゥーロン軍港を出航したが、1週間後の2006年1月6日にインド最高裁判所がアスベストの残存量について確実な情報がなく、有害廃棄物の移動に関するバーゼル条約に違反する疑いがあることから、2週間後に最終決定を下すまでインド領海への進入を禁じると宣告した。さらにスエズ運河通航中の1月15日には、環境活動家らの「クレマンソーのインド回航は不当である」という申立に対してフランス国務院がクレマンソーをフランス領海に戻すよう判示したことを受け、当時のジャック・シラク大統領がフランスへの帰港を指示した。 その後も、解体は進展せずブレスト港に係留されていたが、2009年2月にイギリス北東部のハートルプールの造船所で解体されることが決定し、環境保護団体が「有毒幽霊船」と抗議する一方で、地元では200人の新規雇用が見込まれるなどの経済効果が期待された。 ハートルプールへの到着後、約1年で解体できる見通しであったが、2010年に火災事故を起こした他、環境汚染に関する調査を受けるなどしたため予定よりも時間を要し、2011年にようやく解体が完了した。
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