親任官待遇
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特定の職にある者について、一定の年数以上在職した者や特に功績があった者は、その職自体が親任官の職とはされないものの、「親任官待遇付与奏請内規」に基づいて、親任官の待遇を与えられることがあった。同内規によれば、各帝国大学総長、北海道庁長官、警視総監、各府県知事、各省次官、内閣書記官長、法制局長官、陸軍司政長官、海軍司政長官、陸軍事務嘱託、海軍事務嘱託に一定年数在任した者が挙げられている。この他、賞勲局総裁、特命全権公使、東京工業大学長、製鉄所長官、神宮大宮司などの職にある者にも、親任官待遇が付与されることがあった。「親任官待遇付与奏請内規」(昭和17年4月28日決定)の主な内容は以下の通り。 親任官待遇付与奏請内規(昭和17年4月28日決定) 親任官待遇付与奏請内規左の通りこれを定む。 勅任文官にして左の各号の一に該当し功績特に顕著なる者に対しては、特に親任官の待遇を賜うの奏請をなすことを得。 帝国大学総長並びに京城及び台北帝国大学総長にして、一等官在職8年以上に達したる者。 北海道庁長官、警視総監又は各府県の知事たる職に在り、一等官在職6年以上に達したる者。 各省次官等にして、一等官在職6年以上に達したる者。 全各号以外の勅任文官にして、一等官在職15年以上に達したる者。 第1号又は第2号により親任官の待遇を賜う者の員数は、各3人以内とす。 内閣書記官長又は法制局長官にしてその官歴又はその他の閲歴特に優秀なる者に付きては、特に親任官の待遇を賜うの奏請をなすことを得。 陸軍司政長官、海軍司政長官、陸軍事務嘱託又は海軍事務嘱託にして軍占領地における枢要の職に在り識見経歴特に優秀なる者に付きては、特に親任官の待遇を賜うの奏請をなすことを得。 かつて親任官たりし者又は親任官の待遇を賜りたる者に対しては、特に親任官の待遇を賜うの奏請をなすことを得。 「特に親任官の待遇を賜ふ」という辞令が出た具体例 真崎甚三郎陸軍中将が1932年(昭和7年)1月に参謀次長に補された時。 井上成美海軍中将が1944年(昭和19年)8月に海軍次官に補された時。
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