規格や教本による定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 16:32 UTC 版)
イーサネットやIEEE 802などのLAN標準仕様では、TCP/IPモデルではなく7つの階層から成るOSI参照モデルの用語を使用する。一般的にTCP/IPモデルは物理的な仕様を考慮しておらず、リンクにメディアレベルのフレームを配信可能なネットワークインフラストラクチャを想定している。そのためTCP/IPモデルの定義であるRFC 1122やRFC 1123では、ハードウェアの問題や物理的なデータ転送を議論せず、それらの側面の規格を設定していない。教本の著者の中には、物理的なデータ転送の側面はリンク層の一部であるという解釈を支持する者もいるが、その一方で物理的なデータ転送規格は通信プロトコルとはみなせず、TCP/IPモデルの一部ではないと仮定する者もいる。これらの著者たちからは、層の分け方についての説明が修正されて、リンク層ではなくその下の層であるハードウェア層や物理層もしくはそれらのいくつかを組み合わせたものに対してOSI用語のデータリンク層が採用されたと考えられている。TCP/IPモデルの前身であるARPAnet Reference Model(RFC 908、1982年)では、リンク層の側面はネットワークアクセス層、ネットワークアクセスプロトコル、またはネットワーク層などのいくつかの不完全に定義された用語により指し示され、リンク層よりも上の層はインターネットワーク層と呼ばれる。現代の教本の中には、リンク層やデータリンク層に対してネットワークインタフェース層、ホストツーネットワーク層、またはネットワークアクセス層という異名を与えているものもある。さらにそれらの層にはリンク層やデータリンク層だけではなく、物理層も含まれていることが多い。
※この「規格や教本による定義」の解説は、「リンク層」の解説の一部です。
「規格や教本による定義」を含む「リンク層」の記事については、「リンク層」の概要を参照ください。
- 規格や教本による定義のページへのリンク