規制と競争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/09 15:23 UTC 版)
交通供給においては、安全性および経済的な理由による規制が存在する。交通経済学では主としてこうした規制のうち経済的なもの、特に交通サービスおよび交通ネットワークが公共部門によって供給されるべきか、或いは民営によるべきかといったことを取り扱う。 交通サービスや交通ネットワークは、規制の下でも、自由競争の下でも運営されうるし、また公共あるいは民間のどちらによっても運営されうる。例えば、イギリス・ロンドンの外側においては、規制緩和が行われた結果、公共部門と民間部門のいずれによってもバスが供給されている(サービスを供給する者が定められていないため、市場の下で公営・民営を問わずに供給される)。一方で、ロンドン市内のバス(ロンドンバス)は、規制の下で民間部門によって供給されている(乗客への直接的なサービスは公営によるが、民間事業者は公共部門が持つ運営権を巡って競争し、獲得した運営権によって委託運行を行う。いわゆるフランチャイズ方式) 。 公共交通への規制は、時に何らかの社会的、地理的あるいは時間的な衡平を達成するために行われる。これは規制を行わず市場の力によるのみでは、こうしたサービスが、沿線の人口密度が高い主要路線の、旅客が多く利用する時間帯でしか行われなくなる可能性があるためである。国税または地方税は時にこうした路線網を維持するための補助として使用され、社会的に受け入れられている(こうした補助は運行時間帯を広げるような本数の増発や、競争的環境のもとでは供給されないような路線の増強などに用いられる) 。
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