規制と世界銀行の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/01 20:04 UTC 版)
世界銀行は1955年から鉱業に資金提供しており、主に国際復興開発銀行の補助金と多国間投資保証機関のカントリーリスク保証の形で行っている。1990年までに50の鉱業プロジェクトに20億ドルを提供しており、廃鉱の自然環境復旧、未開発地域の鉱山開発、鉱物処理加工、技術支援などがある。中には批判されているプロジェクトもあり、例えば1981年に始まったブラジルの Ferro Carajás プロジェクトなどがある。世界銀行は1988年、45の鉱業会社に海外投資を増大させるためにどういう環境が必要かを聞き取り、その方向に沿って鉱業規制を策定した:20。 1992年、世界銀行は The Strategy for African Mining という報告書を端緒として、新たな規制によって国有の鉱業会社の民営化を要求しはじめた。1997年、中南米最大の鉱業会社ヴァーレ (CVRD) が民営化された。フィリピンでも1995年に鉱業法を制定するといった動きがあり、世界銀行は新たな報告書 (Assistance for Minerals Sector Development and Reform in Member Countries) を公表し、その中で環境アセスメントと地元住民への注意喚起の義務化を掲げた。この報告書に基づく新たな規制は、開発途上国の法律に影響を与えている。この新たな規制では、関税を撤廃するなどの免税期間を設定して開発を奨励することを意図していた:22。この規制の影響をケベック大学の研究グループが調査し、規制によって海外投資が促進されたが、持続可能な開発という意味では不十分であることを指摘している。天然資源の豊富さが経済発展にマイナスの影響を及ぼすことを資源の呪いと呼ぶ。
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