見神、洗礼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/21 16:56 UTC 版)
マックス・ジャコブは2度、見神体験をしている。哲学、神秘思想、占星術、カバラ(ユダヤ教の神秘思想)などに関する多くの著書を読んでいた影響も指摘されるが、最初は1909年9月7日であった。「洗濯船」に戻ったとき、壁にキリストが出現した。その美しさに感動した彼は、翌日、近くのモンマルトル聖ヨハネ教会(Église Saint-Jean de Montmartre)へ行って、司祭に洗礼を受けたいと申し出たが、当時のモンマルトルのボヘミアンの退廃的な暮らしを知っていた司祭は、この申し出をあっさりと断った。2度目は1914年12月、映画館での見神であった。もはや神の存在を疑う余地はないとして、1915年2月18日にパリ6区ノートル=ダム・ド・シオン修道会(Congrégation de Notre-Dame de Sion)で洗礼を受けた。代父はピカソであり、洗礼名はキプリアヌスである。キプリアヌスは「教会の外に救いなし」という言葉を残し、迫害を受けて殉教したカルタゴの聖人である。ピカソはからかい半分に「フィアークル」という洗礼名を提案していた。フィアークルはアイルランドの隠者で庭師と御者の守護聖人だが、この聖人に因む宿泊施設「サン=フィアークル」がフランス語で「辻馬車」を意味する「フィアークル」の語源であり、したがって通常はたんに「辻馬車」を表わす。
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