西鶴研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 02:55 UTC 版)
後半生は井原西鶴の研究に注力し、『西鶴本叢考』『西鶴一家言』『西鶴三十年』『一代男新考』などを著した(大半は『著作集続編 第4巻 西鶴論集』所収)。 森はこれらの著作を通じて、用語や文体などの徹底した考証検討から、浮世草子の中で西鶴作品として扱われているもののうち、実際に西鶴が書いたのは『好色一代男』ただひとつであり、それ以外は西鶴が監修をのみ行ったに過ぎない作品(西鶴関与作品)、または西鶴に擬して書かれてだけで関与もしていない作品(摸擬西鶴作品)だと主張した(井原西鶴#森銑三説参照)。この説は研究者の間では認められていない。 過去に森説を支持する者もいたが、2000年代以降、「西鶴本浮世草子と模擬西鶴作品を明確に区別することはできず、『好色一代男』だけを西鶴の作品とする森説は計量的には裏付けられない」との指摘や、遺稿集についても『万の文反古』以外は西鶴によって執筆された可能性が高いとされるなど、森説は否定されている。
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