行軍の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 02:35 UTC 版)
行軍の種類は、敵と接触するおそれの有無によって(1)旅次行軍と(2)戦備行軍とに分け、急速に目的地に到着する必要のある場合は(A)強行軍あるいは(B)急行軍を行い、必要に応じて(C)夜行軍を実施する。 (1) 旅次行軍は敵と接触するおそれのない普通の行軍の場合に実施し、軍隊の休養に重きを置き、できるだけ人馬の疲労あるいは故障の生じないことを旨とし、兵器の愛護に留意する。したがって、休憩回数を増やし、軽装をさせ、炎暑の候ではボタン、ホックその他をはずし、服装を緩解にし、砲車に砲身覆を掛け、銃に銃口蓋を装して、雨水の腔中への浸入、砂塵の機関部への侵入を防止するなどの処置を取る。 (2) 戦備行軍は敵と接触するおそれのあるときに実施するから、武装を固め、警戒を厳にし、緊張して行軍を実施し、いつなんどき戦闘が開始されてもただちにこれに応じ得るよう周到な準備をする。 (1)旅次行軍であれ(2)戦備行軍であれ、情況によって日々の行程を増大して行軍を実施する必要のあるときは(A)強行軍を実施する。この場合は、行軍間の休日を廃し、あるいは休宿時間を減少し、要すれば昼夜兼行で行軍を継続する。 (B) 急行軍は情況によって短時間で目的地に到着する必要のあるときに行い、歩度を増加し、または休憩の回数、時間を減少、短縮して行進するのが例である。この場合、服装を軽易にし、鉄道、自動車その他の車両を利用することができればおおいに有利である。 (C) 夜行軍は敵に対して、特に行動および企図を秘匿する必要のある場合、軍隊の移動が急を要し払暁を待ついとまのない場合、夏期昼間の炎熱を避けて強行軍を実施する必要のある場合などに行う。
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