血小板機能検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 15:32 UTC 版)
血小板機能には、粘着・放出・凝集の3つの機能がある。これらの機能を検査し、血小板機能異常症やヴォン・ヴィレブランド病を検出するのが血小板機能検査である。 粘着能の検査には、主にコラーゲンビーズカラム法か、水晶振動子を用いた検査法がある。コラーゲンビーズカラム法は、血管内皮下組織のコラーゲンへの血小板停滞率(つまり粘着率)を測定する方法である。測定の簡便さや再現性の良さ、低コストなどの利点があると期待されており標準化が試みられているが、臨床応用には至っていない。水晶振動子を用いる検査法は、血小板の粘着塊の重量を水晶の振動の変化で測定する方法で、感度が高く再現性もよいが、実用化は2004年現在困難とされている。 凝集能の検査は、血小板機能低下症や機能亢進症が疑われるときに行われる。凝集能検査では、凝集に伴う光学的な透過度の変化を測定する比濁法が用いられる。これは1962年にBornが開発した原理を用いている。このほかに、電極を用意し、そこに凝集した血小板を電気抵抗の変化で検出するインピーダンス法や、透過光の代わりに散乱光を用いた検査法が存在する。インピーダンス法は遠心分離操作が不要なためすべての血小板凝集能を測定することができるが、初期の電気抵抗変化は赤血球によるものもあるため安定しない欠点もある。散乱光を用いる検査は、血小板の小さい凝集塊も感度よく検出できるため、血小板機能亢進症の診断に有用とされている。
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