血の色と白血病の名の由来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 02:02 UTC 版)
白血病は、前述したウィルヒョーが見た死亡患者の血液が白っぽくなっていたため、ギリシャ語の白い(λεύκος)と血(αίμα)をラテン文字へ換字した(leukos)と(haima)から造語した leukemia(白血病)と名付けたといわれる。ウィルヒョーが見た患者では極端に白血球が増加し血液が白っぽくなっていたと考えられるが、実際に血液が真っ白になることはなく、白血病細胞が極端に増えた例で通常は濃い赤色である血液が赤から灰白赤色になるだけで、ほとんどの白血病患者では血液の色は赤いままである。血液の赤色は赤血球の色であるが、赤血球が完全になくなる前に人は死亡するため血液が完全に真っ白になるまで生存することはできない。 白血病によって貧血が強くなると血の色が薄くはなる。また同様に、赤白血病(FAB分類M6)でも血がピンクになるわけではない。一方、家族性リポ蛋白リパーゼ欠損症では血の中に中性脂肪が溜まり血が乳白色となるが、これは白血病とは呼ばない。 ちなみに健康人の血液を遠心分離すると下層には濃い赤色の赤血球、上層には黄色みかかった透明の血漿に分離するが、中間にはやや灰色がかった白い薄い層が現れる。白い層をなす血液細胞をギリシャ語由来の(白い)を意味する leuko と細胞を表す cyte をあわせて Leukocyte:白血球と名付けられた。白血球の一つひとつは実際には無色半透明だが多く集まると光を乱反射して白く見える。白血病患者のほとんどでは白血球あるいは白血球同様に無色半透明な芽球が増加しているため、血液を遠心分離すると中間の白い層の厚みは増加している。白い層の増加の程度が甚だしいと血液の色も変化する。
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