藤色に関するエピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 02:36 UTC 版)
藤色にちなんだ人物といえば何をおいても源氏物語に登場するその名も「藤壺女御(中宮)」であろう。宮中でも中宮やその候補となる女御の住む飛香舎(中庭(壷)に藤が植えてあることから藤壷とも言う)に住む帝の最愛の妻で光源氏の義母である。伊勢物語、古今和歌集に見られる古歌紫のひともとゆえに武蔵野の草はみながらあはれとぞみるにちなんだ「紫の縁」の姫君たち(光源氏の母桐壺更衣、藤壺女御の姪にして光源氏の最愛の妻紫の上)の一人として物語に深く関わる高貴な美女である。(余談だが、紫式部の主人である彰子中宮も藤壺に局を持つ「藤壺女御」であったし、藤原一族出身の彼女自身は「藤式部」と呼ばれていた。) また、藤をめでる宴などもこの頃の貴族には良く行われていて、重ねの色目にも表は薄紫、裏が青の「藤」がある。 「藤色」愛好の気風は現在まで長く続き、江戸時代の活け花の作法でも、藤を活ける際には薄紫のものを最上とするとある。
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