藤村久和とは? わかりやすく解説

藤村久和

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/27 05:17 UTC 版)

藤村 久和(ふじむら ひさかず、1940年 - 2025年)は、日本民俗学者・民族学者。北海学園大学名誉教授河野広道門下。北海道を代表するアイヌ文化の研究者の一人。

来歴

北海道釧路市に生まれる[1][注釈 1]

北海道学芸大学教育学部を卒業し、[要出典]1963年に北海道厚田村立聚富小学校の教員となる[3]。以後、石狩町立南線小学校(1969年)を経て、1970年に教員を退職し北海道開拓記念館の研究員に転じた[3]。記念館時代にアイヌ古老からの聞き取りを始める[3]

1984年に北海学園大学教養部教授に就任し、1998年に同人文学部、1999年に同大学院文学研究科の教授となる[4]。北海学園大学では学芸員課程設置の準備に携わり、1999年に課程設置が実現した。2009年に北海学園大学を定年退職して同名誉教授となる[4]。同年、苫小牧駒澤大学国際文化学部の客員教授に就任した。2013年に苫小牧駒澤大学を退職した。

退職後は北日本文化研究所代表を務める[3]

研究分野

アイヌ民俗学全般を研究領域とし、アイヌに関する精神文化、口承文芸、民族医療、整体儀礼等の文化研究、アイヌの生態・文化保全に関する自然との共存に関する研究の他、アイヌの古老(旧来からの伝統を知る老人)からの聞き取り作業や、近年[いつ?]はアイヌの食事文化やアイヌ文化からみた食育等も研究している。

人物

アイヌ文化研究・学術調査・フィールドワークのため、アイヌ文化伝承者とともに生活し、アイヌ語を修得。さらに、文化理解の為にアイヌの世界観・宗教観のほか、ユーカラを語り、カムイノミ(アイヌの神々への祈り)も修得した。

NHKラジオ第2放送で、アイヌ語講座も担当した。

受賞歴

日本文化デザイン賞(1981年)

主著

  • 『漁業発達史(いさばごよみ):江戸期のアツタを中心に』(第一輯・第二輯)厚田村史料室、1967年
  • 『アイヌの霊の世界』小学館、1982年
  • 『アイヌ、神々と生きる人々』福武書店、1985年
  • 『アイヌ学の夜明け』(梅原猛との共編)小学館、1990年
  • 『聞き書アイヌの食事』(共著)農山漁村文化協会、1992年
  • 『カムイチカプ-神々の物語』(手島圭三郎・絵)絵本塾出版、2010年
  • 『ケマコシネカムイ-神々の物語』(手島圭三郎・絵)絵本塾出版、2010年
  • 『イソポカムイ-神々の物語』(手島圭三郎・絵)絵本塾出版、2010年
  • 『チピヤクカムイ-神々の物語』(手島圭三郎・絵)絵本塾出版、2010年
  • 『エタシペカムイ : 神々の物語 カムイユーカラ』(手島圭三郎・絵)絵本塾出版、2010年
  • 『アイヌの神々の物語―四宅ヤエ媼伝承』(若月亨ほかと共訳)釧路アイヌ語の会、2015年(第2版は藤田印刷エクセレントブックス、2018年)
  • 『アイヌのごはん―自然の恵み』デーリィマン社、2019年

脚注

注釈

  1. ^ 1984年に出版された『プレイバック高校時代』への寄稿では、「私は北海道の札幌市の生まれですが、11ヶ月で父を失い、以後、母の手ひとつで育てられました」と書かれている[2]

出典

  1. ^ 「口承文芸は「生活百科」*釧路アイヌ文化懇話会*藤村さん講演」 北海道新聞、2014年10月6日朝刊地方26頁
  2. ^ 藤村久和 他『プレイバック高校時代④』福武書店、1984年、P.126-127頁。 
  3. ^ a b c d 食育を深めよう・藤村久和 - 北海道庁農政部食の安全・みどりの農業推進局食品政策課
  4. ^ a b 「藤村久和教授略歴」『北海学園大学人文論集 42号』北海学園大学人文学部、2009年3月、5頁以下[要文献特定詳細情報]




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「藤村久和」の関連用語

藤村久和のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



藤村久和のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの藤村久和 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS