著述姿勢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 17:20 UTC 版)
自筆裏書に、対校本中「儒仏など習合の考(中略)の古意ならぬもありて己が見識にふさハしからぬ説ハ、おほかたハはぶきすてて」とあり、外来の思想・信仰を排して古道を旨とする姿勢を示している。また当初は『神名帳考』と名付けていたが、内容的に発展・展開して「神名帳の正しき考証を述作らむ」ための「下書となるへきもの」と位置づけたことを明らかにしており、そのために日本諸国の地誌類や神社誌、残存する国内神名帳の収集を始め、先行考証書や各地の在地の研究家の説、民間信仰にまで幅広く着目するなどの総合的研究方法を採用して後の考証学とも言うべき新しい学問分野への試みが認められ、また上記の如く典拠とした文献を明示すると共にその引用は原文のままとするなど原資料重視の姿勢も窺える。更に、成稿後も新見解が生じるたびに次々と加筆を行ってより完璧なものとすべくこれに努めているが、裏書を「同し志の人々の国々におこりて相うづなひ撰とゝのへむ時もがな」と同学の士の協力を期待して結ぶ等、信友の学問的誠実さを示すものともなっている。
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