色素の分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 16:45 UTC 版)
膜電位感受性色素は、膜電位変化に対する応答時間に応じて、fast-response dyesとslow-response dyesの2つに分類される (Waggoner, 1979)。また、slow-response dyesをdistributing dyesと呼ぶこともある。(Cohen and Salzberg, 1978 ; Waggoner, 1979)。研究の初めの段階では、merocyanine系がfast-response dyesに、cyanine系、oxonol系がslow-response dyesに属し、前者は局在化した陰性電荷をもち、後者は非局在性の陽性電荷をもつと単純に定義づけられたが (Waggoner, 1976 ; Cohen and Salzberg, 1978 ; 神野、1978)、その後、新しい膜電位感受性色素の開発合成に伴って、この概念には修正が加えられた。 fast-response dyes これにはmerocyanine系に加えて、oxonol系、styryl系のいくつかの色素が属する。膜電位変化に対する応答時間は5.0μ秒以下でかなり短く、活動電位を充分にモニターすることができる。merocyanine系、oxonol系は吸光変化が大きく、styryl系は螢光変化が大きい。なお、これに属する色素は膜に対して非透過性である。 slow-response dyes 膜電位に対する応答時間が秒のオーダーで比較的長く、cyanine系色素とoxonol系のいくつかがこれに属する。活動電位のような迅速な膜電位変化をモニターするのには適していないが、ゆっくりした膜電位変化の測定に用いられている。これに属する色素は膜に対して透過性を示す。神経系ではシナプトソームやシナプス小胞での膜電位測定に用いられている (Blaustein and Goldring, 1975 ; Carpenter and Parson, 1978 ; Freedman and Laris, 1981)。
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