色素を用いない方法 (Intrinsic optical imaging)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 16:45 UTC 版)
「膜電位感受性色素」の記事における「色素を用いない方法 (Intrinsic optical imaging)」の解説
膜電位感受性色素を用いないで、内因性 (intrinsic) の光学的変化を捉えることによってネコやサルの中枢神経系のニューロン活動をモニターしようとする方法が、Amiram Grinvaldらによって開発された(Grinvald, et al, 1986) ; Frostig, et al, 1990 ; Ts’o, et al, 1990)。彼らは、photodiode法で、ネコの視覚野の皮質から、スリット光刺激に応じた持続時間が比較的長い(約3秒)内因性の光学的変化 (reflectance) を見いだし、これがニューロン応答を表しているとして、その画像化を行った。測定方法は、膜電位感受性色素を用いないという以外は、BlasdelとSalamaと全く同じである。Photodiodeで測定される内因性の変化 (fractional change) は2×10-4 で、膜電位感受性色素の場合よりも1桁から2桁小さい。ここでも問題になるのは、このreflectanceの変化が実質的に何を表しているかということである。ニューロン活動を反映していることは間違いないと考えられるが、変化の持続時間が長いことからみても、活動電位のような電位変化を拾っている可能性はまずない。Grinvald自身も電位変化以外に、いろいろな生理学的因子を上げている。最近の論文で彼らが特に注目しているのはcytochrome-oxidaseとの対応である。しかし、一方では微小循環との対応性も論じている (Ts’o, et al,1990)。 この方法は、色素を用いないことから脳外科手術中の患者にも適応することが可能であり、intraoperative intrinsic optical imagingと呼ばれている。
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