色パターン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 15:55 UTC 版)
テティスの表面は、色や明るさによって識別できる大域的なスケールの特徴を複数持つ。公転方向の反対側にあたる後行半球は暗く赤っぽい色をしており、これは公転方向の最後尾に当たる反向点に近づくに連れて強くなる。これは物理的特徴の節でも述べたとおり、各半球におけるアルベド分布の非対称性の原因となっている。先行半球側でも公転方向の先端にあたる地点に近づくにつれてわずかに赤っぽくなる特徴を示すが、色が暗くなるという特徴は見られないのが後行半球との大きな違いである。このような二分した色のパターンが存在するため、北極と南極を通る大円に沿って先行・後行両半球の間に青っぽい帯状の領域が見られる。 このようなな表面の色と明るさの違いは、土星の中型サイズの衛星では典型的な特徴である。この原因は、先行半球に降り積もるE環からの明るい氷粒子と、後行半球に降り積もる外側の衛星からやってきた暗い粒子と関係している可能性がある。また後行半球が暗くなっているのは、土星の磁気圏内に存在して土星と共回転しているプラズマ粒子との衝突が原因である可能性もある。 探査機による観測で、テティスの先行半球には赤道から南北 20° に渡る暗く青っぽい帯状の領域が発見されている。この帯は後行半球に近づくに連れて細くなる楕円形の形状をしている。このような特徴は、その他にはミマスのみに見られる。この帯状の特徴は、ほぼ確実に土星の磁気圏内の 1 MeV よりも高エネルギーな電子によって作られている。これらの粒子は惑星の自転とは逆向きの方向に移動し、衛星の先行半球側の赤道に近い領域に優先的に衝突する。カッシーニによって得られたテティスの温度マップでは、青っぽい領域は周囲よりも低温であることが分かっており、中間赤外線波長で観測するとパックマンのような見た目をしていることが分かっている。
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