航空機への準用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 09:20 UTC 版)
この概念は、航空機の機長に対しても、法的に明確に準用されており、「(機長は)飛行の操作と安全性に関する最終的な権限と責任を有する」という形で述べられている。 この概念は、航空機が海や川に墜落または着水した後、機体が水中に沈むことがほぼ確実となった場合に特に関係する。例えば、2009年のUSエアウェイズ1549便不時着水事故においては、機体がハドソン川に不時着水した後、機長のチェズレイ・サレンバーガーは、乗客がいないか最終確認を行ってから、航空機を最後に脱出した。1956年10月16日のパンアメリカン航空006便不時着水事故では、乗員・乗客31名全員が救出されたが、機長のリチャード・N・オッグは最後に飛行機から出て来た。 1988年に出版されたジェリー・B・ハーベイの著書『アビリーンのパラドックス』(The Abilene Paradox)によれば、1968年の日本航空サンフランシスコ湾着水事故における日本航空002便の機長は、事故直後に自分のミスであると正直に評価したことでアメリカで有名になった。この事故は、着陸時の操縦ミスにより、滑走路の数マイル手前のサンフランシスコ湾に着水、座礁したものである。着水地点は水深の浅い場所であり、乗員・乗客107人全員が無傷で生還したが、飛行機から一番最後に出てきたのは機長だった。
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